近年、プロバイオティクスやプレバイオティクス、腸内細菌叢移植など、患者の腸内細菌叢にアプローチする治療法が注目を集めている。より効果的な治療法の開発や治療の安全性確保のためには、介入によってどのような影響がヒト腸内細菌に生じるかを事前に予測することが必要となる。 従来の細菌叢モデルの多くは、系統組成と機能組成とを独立に扱ってきた。しかし本来、系統組成と機能組成とは密接に影響しあっており、両者の均衡が細菌叢の動態を決定するはずである。 よって本研究では、系統組成と機能組成における均衡(バランス)に着目した数理モデルを構築することで、腸内細菌叢の時系列動態を解明・予測することを目指す。
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