陸上植物は地上と地下でさらされる環境が全く異なるが、器官ごとに異なる環境に応答しながら、統制の取れた個体の成長・発生を実現している。これを可能にしている仕組みの一つが、植物体内を走る長距離シグナルである。これまで活性酸素種や移動性mRNAなどが長距離シグナルとして報告されているが、地上部環境に応答して根系形態を制御するものについては、ほとんど分かっていない。本研究では、環境によって変動する地上部プラスチド代謝活性が地下部側根形態に反映される現象に注目し、地上から地下に伝わる長距離シグナルの同定とその伝達メカニズムの解明を目指す。
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