近年、選挙を行うなど表面的には民主主義だが、その選挙の公正性が著しく損なわれた国家が増えている。トルコやベネズエラ、ハンガリーなどが例示され、特にトルコのエルドアン政権の例は有名である。Papada et al.(2023)は独自の指標を用いて、2012年から2022年に多くの国で権威主義化が進んだことを示している。このような、現象を民主主義の後退と呼ぶ。本研究は経済と政治の相互の影響を分析し、この現象に説明を与えると共にマクロ経済への影響を考察する。その上で国際機関が取るべき施策と国内の政府が施行できる政策について定性・定量的に示唆を与える。
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