現在の宇宙は、加速膨張期を実現するインフレーションモデルというものによって記述される。このモデルには様々な種類のものが存在するが、中でも特にWMAPやPlanck等のCMB観測と相性の良いモデルとして、R^2インレーションモデルというものがある。近年、この理論における再加熱機構が穏やかで長く続いてしまうことが仇となり、宇宙論的ゆらぎが共鳴を通して大きく成長してしまう結果、それが次々に原始ブラックホール(PBH)に潰れていく可能性が指摘された。我々は、ゆらぎの持つ非球対称性や角運動量の効果が無視できず、PBH生成を抑制するだろうという観点から、この先行研究の結論が逆転するかどうかを検討していく。
|