トルコ共和国は約100年前にオスマン帝国政府に対する「独立」戦争の結果建設されました。現在でも、独立戦争にまつわる語りやイメージはトルコ国民の一体性を示す象徴として、政治的場面から日常生活にいたるまで様々な場で想起されます。 こうした歴史認識に対して、本研究では、トルコ国民を所与のものとせずに、トルコ共和国建国を理解することを目的としています。特にオスマン帝国のバルカン領での独立運動に注目して、参加者の動機・目的、そして彼らがそれらの達成のために、いかに自身を正当化したかなどを調べています。 トルコ共和国における例を通じて、当たり前と捉えられがちな、「~国民」という概念の相対化を目指しています。
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