本研究では、20世紀中期のラテンアメリカ地域におけるメタ哲学議論に関する中心的な哲学者を4名取り上げ、「思想的支配」と「思想的解放」という観点から比較研究を行い、思想状況の整理を行う。ここでのメタ哲学とは、西洋哲学との対比において独自の哲学のあり方を模索する議論のことである。この研究の目的は、日本と同様に西洋哲学を一方的に受容してきた地域において独自の哲学のあり方がどのように考えられているかを明らかにすること、および、日本におけるラテンアメリカ地域研究にてほとんど扱われてこなかった哲学領域を扱うことで当該地域の多面的な理解に貢献することの2点である。
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