核融合炉では水素の放射性同位体であるトリチウム(T)の漏洩防止が必要である.そのため,高温高圧配管からのT透過漏洩を抑制する技術,および炉心から取り出される使用済み材料中に溶解しているTを材料廃棄前に回収する技術を確立しなければならない.本研究では,この目的を軽水素(H)とTの同位体交換の制御により達成することを目指す.高温高圧水環境下でのT透過は,配管材料の酸化腐食によるHTガス発生や材料中に溶解しているHとHTO中のTの同位体交換を制御することで抑制する.炉心材料に関しては,機器が炉内に設置されている状態でHまたは重水素(D)プラズマに曝露し,同位体交換によりTを除去することを目指す.
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