先天性血栓症は抗凝固因子の遺伝子異常に起因し、遺伝子解析により原因遺伝子変異を特定することで確定診断される。しかし、先天性血栓症が強く疑われる症例を対象に遺伝子解析を実施しても、どの塩基置換が原因遺伝子変異であるか、DNAの配列情報のみでは特定できない場合が多い。本研究では、CRISPR-Casによる転写活性化技術を利用し、本来は肝臓で発現する抗凝固因子遺伝子を末梢血単核球で異所性に発現させる技術を確立し、mRNAレベルで原因遺伝子変異を特定する。本研究の技術開発により、患者の血液検体を用いた低侵襲かつ高精度な遺伝子診断を実現できる。
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