狂犬病ウイルスのL蛋白質は、ウイルス増殖において中心的な役割を果たすことから、未だ存在しない狂犬病治療薬開発における有望な標的分子である。治療薬開発のためには、L蛋白質の分子機能に関する基盤情報の蓄積が必要である。 L蛋白質の機能発現には、他のウイルスおよび宿主因子の結合が必須である。これら因子との結合領域は、L蛋白質の分子表面に存在することから、L蛋白質の分子表面には、結合因子との結合を通じてL蛋白質機能を調節する領域の存在が示唆される。しかし、このような機能領域に関する情報は極めて少ない。そこで本研究では、L蛋白質の分子表面に位置する新規機能領域を探索し、その結合因子を同定する。
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