近年、水素エネルギーの利用拡大に向けて高純度水素の需要が高まってきている。それに伴い、一段階のプロセスで極めて純度が高い水素が得られる水素透過金属膜による膜分離法が注目されている。実用的な水素透過金属としてパラジウム(Pd)が知られているが、極めて希少で高価であるという課題を抱えており、Pdの代替材料が必要とされている。 本研究では、電子状態計算に立脚した水素透過の物理モデルを構築することで、材料の水素透過性能を第一原理的に予測することを可能にする。加えて、本手法を金属間化合物に系統的に適用することで、金属間化合物系水素透過材料の可能性を探り、水素透過金属の新たな材料群を開拓することを目指す。
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