多くの動物で音は重要なコミュニケーションの手段であり、求愛シグナル、すなわち異性への性的アピールとしても用いられている。この「求愛音」を処理する聴覚回路が、動物の内的な欲求、すなわち内部状態によって調節される可能性はあまり検討されていない。そこで本研究では、求愛シグナルとして音を用いるショウジョウバエを用いることで、内部状態による聴覚回路特性調節の神経機構解明に挑む。特に、動物の内部状態との関連が示されている神経修飾物質であるドーパミンに着目する。これにより、動物が示す柔軟な行動調節の根本原理の理解が進むことが期待される。
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