“射精”とは交尾中にオスがメスに精子を受け渡す行動であり、有性生殖を行う多くの陸上動物の繁殖の根幹をなす。オスは、交尾開始後の一定時間経過後に射精が誘発されるという時間制御によって、メスへの確実な配偶子輸送を実現し、繁殖の成功をもたらすと考えられている。本研究では、神経行動学の優れたモデル生物であるショウジョウバエを用いて、「オスの射精の誘発がどのような神経回路で制御されるのか?」、そして「射精誘発のタイミング制御を実現する神経機構は何か?」という問題を明らかにし、交尾中のオスが射精の誘発タイミングを適切に制御する神経回路メカニズムの解明を目指す。
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