ヒトは社会の中で他者と関わりながら生きており、見知らぬ他者とも協力する。このような大規模で発達したヒト協力社会の維持には、自身の利害に関係のないやり取りから他者を評価する能力(第三者評価能力)が必要不可欠だ。第三者評価能力の進化的起源を探るためには、ヒトと系統的に近縁な霊長類だけでなく、家畜化によって発達した社会的能力を獲得した家畜動物も研究対象とする必要がある。そこで、本研究では、協力相手を選ぶ際に特に重要とされる協力性と問題解決能力の有無というヒトの特徴に着目し、自身の利害に関係のない場面で、ウマがヒトを評価し、その評価を基に自身の行動を調節できるか否かを明らかにする。
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