ニュートリノの質量固有値は、先行する長基線ニュートリノ振動実験とCMB偏光観測とを組み合わせることで決定できるが、後者においては到来する光の偏光方向を誤って検出してしまうことによって、感度が制限されている。本研究においてはSimons Observatory実験で用いられる3台の小口径望遠鏡全てに、ワイヤーを用いた偏光応答角の較正装置を導入する。この装置によって、応答角を0.1度以下で正しく見積り較正することができる。この較正を経たCMB観測により、ニュートリノの質量は順階層(逆階層)に応じてそれぞれ3.5σ(5.9σ)の統計有意度で決定できる。
|