本研究は生殖に関する大テーマであるなぜ有性生殖は普遍的であるのかという問いに関して、無性生殖の一様式であるアポミクシスと有性生殖を両立するマンリョウを用いて検証するものである。単為生殖の利点をアポミクシスから検証することで、逆説的に有性生殖の有利な状況を推測することができる。 具体的にはアポミクシスが分布中心から離れたところで適応的であるということを(1)繁殖適応度と(2)アポミクシスの出現頻度、(3) 有害突然変異の保有数、(4)遺伝的交流量の多寡という複数の観点から検証することで、アポミクシスの進化条件やその意義についての解明を目指す。
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