プレート収斂境界において岩石の沈み込みと上昇機構の理解は、地殻内部の岩石の大規模な運動や地殻内部の流体・マグマの活動の実態解明にとって不可欠である。本研究では、現在進行中の大陸衝突帯であるヒマラヤに露出する変成岩が記録する温度-圧力-時間履歴を、ジルコンの微小スポット年代測定法とモナズ石のTh-Pb年代測定法を立ち上げ、詳細な組織観察、化学分析と組み合わせることで高精度に構築する。広範囲で構築した温度-圧力-時間履歴の地理的多様性を明らかにし、岩石の沈み込みと上昇機構に強力な制約条件を与え、さらに従来のテクトニックモデルの評価及び、実際の地殻岩石の運動機構に迫るテクトニックモデルを提示する。
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