トポロジカル超伝導はマヨラナ準粒子の出現など興味深い性質を示し、新奇デバイスへの応用も期待される現象である。トポロジカル超伝導と物質の結晶構造は密接に関係しており、性質解明には多様な結晶構造を持つ物質が必要であるが、現状候補物質は限られている。 本研究では副格子自由度を持つ結晶構造に着目し、前例のない結晶構造を持つトポロジカル超伝導体を見出すことでトポロジカル超伝導の性質解明を推進させる。具体的には非共型な結晶対称性を持つCaSb2およびカゴメ格子を持つCsV3Sb5に狙いを定め、超伝導対称性の決定において強力な核磁気共鳴、核四重極共鳴を主な手法としてトポロジカル超伝導状態の実験的実証を目指す。
|