ヒトの攻撃性は,自身を脅威から守るなどの適応的な機能を持つ一方,いじめや犯罪などの問題につながることも少なくない。こうした攻撃性の高さは,幼児期を含む発達初期から確認でき,成人期にかけて安定している。本研究では,攻撃性の発達メカニズムとして,他者からの排除経験に着目し,これが攻撃行動に及ぼす影響について理論的・発達的・文化的観点から解明する。具体的には,PC上で短期的な排除経験を誘発するパラダイムを作成し,その反応を日本の成人,子ども,そして文化的に異なる環境の子どもを対象に比較することによって多面的に明らかにする。
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