2000年代以降のインドネシアではイスラームの教えを援用した環境運動が活発化している。本研究はインドネシアにおけるエネルギー問題を事例に、なぜ、いかにして今日の環境問題にイスラームが結び付けられているのか、そのメカニズムを解明することを目指す。インドネシアにおいて、ウラマーと呼ばれるイスラーム諸学に精通した知識人による議論や勧告は、ムスリム社会の規範や倫理を汲み取る重要な媒体とされる。そこで本研究では、ウラマーがエネルギー問題に取り組みはじめる歴史的経緯をまとめたうえで、環境に関するイスラームの教えがどのように議論され、伝えられているのか、そのプロセスを調査・分析する。
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