我々は日常の中で様々なオブジェクトを認識しているが、その際、オブジェクトの全体像に関する情報と、各部分に関する情報を統合した形で認識している。 従来、物体認識に関与しているのは腹側経路と呼ばれる脳の視覚情報処理経路であると考えられてきたが、この経路は物体の部分に関する情報表現にのみ特化している可能性が近年の研究で挙げられている。 そこで本研究では、腹側経路とは別に存在する背側経路が物体の全体像の表現を担っているという仮説のもと、2つの経路の情報表現を調べる実験と、各経路を個別に不活性化した際の認識の変化を調べる実験を行うことで、仮説を検証することを目的とする。
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