超伝導体は一定以上の電流を流すと壊れてしまうが、この閾値を臨界電流と呼び、臨界電流が順方向と逆方向で異なる非相反性を示す現象を超伝導ダイオード効果と呼ぶ。この非相反性と超伝導電流のゼロ抵抗という性質から、省電力デバイスへの応用が期待されている。また、クーパー対が有限の重心運動量を持つヘリカル超伝導との関連性についても注目が集まっている。一方、その起源が内因的なのか外因的なのか、また強相関電子系における発現機構は不透明な部分が多く、重要な課題となっている。本研究では、超伝導ダイオード効果の具体的な発現機構やそれに伴う超伝導相との関連性を明らかにすることを目指す。
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