西アフリカのニジェールは、国民の95%以上がムスリムであり、クルアーン学校が社会に根付いている。フランス式の教育が採用されているが、女子の修了率は依然として低い。一方で、子どもを含む女性たちの学習機会としてクルアーン学校の役割について議論されるなか、クルアーン学校の教育やニジェール国内のムスリム女性のイスラーム学習に関する研究は少なく、社会的位置づけについては明らかにされていない。本研究では、参与観察と聞き取り調査をとおして地域社会に根差したクルアーン学校の全体像を明らかにするとともに、ムスリム女性像を再検討し、現代イスラーム社会における女子教育の意義や在り方を提示することを目指す。
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