微細藻類の珪藻は、地球上の光合成による二酸化炭素固定の約20 %を担っているとも言われ、現代海洋における重要な一次生産者である。珪藻の光合成に対する知見は、地球規模の炭素循環を考える上でも、珪藻の産業への応用利用にも、不可欠なものとなっている。しかし、緑色植物とは外的環境の違いに加え、光捕集システムなどの内的要因も大きく異なることから、珪藻の光合成については未解明な点が多い状況にある。本研究では光環境適応に特に重要と思われる集光性色素タンパク質の1種に着目し、変動する海洋環境で珪藻が光合成を最適化する分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。
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