有機半導体薄膜の構造情報とデバイス性能は密接な相関を持ち,それぞれの評価手法は多岐の階層にまたがるため,デバイス性能の評価スケールに一致した正確な構造解析が求められる.本研究では,平均的な構造情報と,局所的な構造情報を組み合わせることで,各スケールでの構造情報を高い精度で議論する.具体的には赤外スペクトルと呼ばれる分子の振動情報を主軸として,局所的な赤外スペクトルを測定可能なAFM-IRという最先端の測定技術に注目する.従来の赤外分光法で得られる平均的な構造情報と,AFM-IRで得られる局所的な構造情報を組み合わせることで,解析手法として全く新しいトランススケールな構造解析を実現する.
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