配向基と呼ばれる遷移金属触媒が配位可能な官能基を後からポリマーに導入するという主鎖分解への独自のアプローチにより、芳香族ポリエーテルケトンの主鎖を構成する不活性炭素ー炭素、炭素ー酸素結合を切断し、モノマーへの制御分解を達成する。加えて、分解生成物をポリマーへと再生し未開拓である高性能プラスチックのケミカルリサイクルを実現する。本研究計画の不活性炭素ー炭素、炭素ー酸素結合の切断をともなう高分子変換は芳香族ポリエーテルケトンのケミカルリサイクルにとどまらず、不活性な結合から成るポリマーの自在な変換やエーテルケトン部位を分解可能なセグメントとする新規材料の創出に寄与することが期待される。
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