現状の遺伝子治療の問題を克服するため、CR9を含むエンハンサークラスターをAAVベクターのプロモーター上流に挿入することにより、少ないAAV取り込み量でも心臓特異的、かつ心不全重症度に応じて標的遺伝子を高発現させる心臓遺伝子治療が可能になると考えられた。パイロット実験として上流にCR9のみを挿入したAAVベクターを作製したところ、マウス心不全モデルにおいてCR9を搭載したAAVベクターは従来のベクターと比較し高い心臓特異性発現と心不全応答性を示した。そこで本研究において、CR9を含んだエンハンサークラスターの同定とそれを応用した心臓遺伝子治療ベクターの開発を試みる。
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