高対称相状態において固体に匹敵する強誘電性と液晶性を示す強誘電性ネマチック液晶は,その特有の性質から基礎的にも応用的にも注目を集めている.その最適な応用の実現には自発分極の配向制御は重要であるが,巨視的分極の存在によって液晶の配向状態は通常のネマチック液晶とは大きく異なり,その本質的な配向メカニズムは十分に明らかにされていない.そこで申請者は,強誘電性ネマチック液晶の界面での配向状態を理論・実験の双方から解析することで本質的かつ普遍的な配向メカニズムを調査する.また,以上の知見より特有の分子配向特性に基づいた新配向手法を開発し,強誘電性ネマチック液晶のデバイス応用を模索する.
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