乱流に微量の高分子を添加すると乱流が変調する.これは乱流中の渦と高分子の相互作用に起因すると考えられている.しかし,その物理機構は長年議論が続いているが,未だ結論は得られていない.その原因として,渦と高分子の長さスケールの違いから,実験で直接観測することが困難である.また,数値計算では既存の高分子モデルにおける近似の妥当性に疑問が残る.そこで本研究では,高分子添加による乱流変調現象の物理機構を解明するために,室内実験及び数値計算を並行して実施し,上述の課題を克服する.さらに,ニュートン流体の乱流秩序構造の知見を応用した解析によって,高分子添加による乱流変調の物理機構の本質的な理解を目指す.
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