電荷密度波(CDW)は電子が秩序構造を形成し、電荷の密度が空間方向に周期的な変化を示す状態である。本研究では、CDWに対して、時間方向に周期的な外力(周期駆動力)を印加したときに現れる動的性質(ダイナミクス)を研究対象とする。CDWの応答が周期駆動の周波数の分数倍に揃う「分数同期現象」に加えて、非平衡系特有の秩序相である「離散時間結晶」の観点から理論解析を行い、CDWダイナミクスにおける周期駆動力の効果を明らかにすることを目指す。周期駆動されたCDW系において、同期の性質やフラクタル性、時空間構造を系統的に調査し、空間秩序であるCDWと時間秩序である分数同期現象・離散時間結晶の関係を探索する。
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