個々の細胞が支える力学的ストレスを一定レベルに維持する力学的適応の機能を細胞は有する。本研究では以下に焦点を当てて研究を実施する。1. 細胞の力学的適応において特に重要な細胞内構造物であるストレスファイバーに着目し、それが発生する張力を一定レベルに維持する機構(張力恒常性)を理論的に解明する。2. ストレスファイバーと、メカノセンサー分子複合体である焦点接着斑、ならびに細胞外マトリックスに着目し、細胞の力学的適応と細胞-基質間接着現象を統一的に捉える理論モデルの構築・解析を行う。これらの統合的研究により、細胞の力学的適応機構の一端を明らかにし、慢性炎症誘発の治療技術創発に手掛かりを与える。
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