近年、住宅や工場といった環境においてラドン子孫核種による肺ガンのリスクが懸念されており、核種弁別が可能なα線検出器が切望されている。α線検出器の多くはシンチレータが用いられており、核種弁別が可能となるにはα線検出に適した化学組成を有し、かつ高発光量及び透光性を両立させたシンチレータの開発が必要である。II-VI族硫化物の透光性セラミックスは化学組成や透光性の観点からα線検出に適しており、高発光量が実現できれば核種弁別が可能なα線検出用シンチレータの有力な候補となりうる。そのため本研究では上記の材料を作製し、それらのシンチレーション特性の詳細を明らかにする。
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