本研究は有機酸の味についての研究である。有機酸は特に発酵食品に多く含まれ、日本で古くから親しまれる日本酒や漬物は乳酸等の有機酸の割合が味の決め手となることが多い。しかし、有機酸の味はOTOP1等の酸味受容体に結合して感じられる単純な「酸味」以外の味があるかどうかは実際にはわかっていない。我々は先行研究にて「野生型のマウスはD乳酸よりもL乳酸を好むが、甘味・旨味受容体を欠失したマウスにおいてはL乳酸への嗜好性がなくなる。」ということがわかった。本結果より、L乳酸は甘味や旨味といった嗜好性の高い味覚受容体に結合した可能性があり、実際に結合可能か結合するならどのように結合するかを実験で検証する。
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