豪雨による土砂災害の被害軽減や災害リスクを増加させない森林資源管理ためには,ある状態の森林がどの程度の降雨まで表層崩壊の発生を抑制できるかを明示する必要がある.そこで本研究は,森林被覆と降雨外力の長期時系列変化に着目し,応答的な森林の表層崩壊防止機能を提示することを目的とする.水文モデルを用いて,表層崩壊を引き起こす降雨の特徴と確率年によって規模を標準化する.森林被覆の状態は森林蓄積によって定量化する.100 年スケールで森林被覆と降雨外力の変化を明らかにし,これと表層崩壊の発生・非発生との対応関係を検討することで,応答的な森林の表層崩壊防止機能を定量的かつ実用的な指標として提示する.
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