完新世初期に北東アフリカ(現スーダン、エジプト)では土器が使われ始め、中期(c.5500-4000BC)には周辺地域起源の土器が現エジプト地域に伝わってきている。しかし依然北東アフリカにおける土器使用の拡散や外来土器の導入の理由や背景には不透明な部分も多い。本研究では、どのような土器が、いつ、どこからどこに、どのように、なぜ現エジプト地域に波及したかを具体例を持って明らかにする。且つ、アフリカ最古の彩文土器の顔料分析を始めて理化学的に行う。当時の人々の土器利用のあり方とその変化を自然環境変化や文化の相互交流複雑化と共に考察する事で、完新世中期の北東アフリカの人の移動、経済や社会構造を復元する。
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