本研究は、現代日本のワーク・ライフ・バランス(以下「WLB」)施策のあり方と既婚就業女性における仕事と家庭の二重負担との関連を、縦断的な視点で質的・量的研究から解明する。具体的には次の2つの課題を遂行する。(1)WLB施策の運用におけるジェンダー化が、ライフコースを通して男女のキャリア形成と育児休業(以下「育休」)の取得、短時間勤務制度の利用をめぐる意思決定に及ぼす影響を、インタビュー調査から析出する。(2)WLB施策の核をなす育休を取得することが、既婚就業女性の二重負担に及ぼす長期的影響の全体像をパネルデータ(働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査)の分析により検証する。
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