本研究では、昆虫において特殊化した脚が形成されるしくみや、それが進化する過程を調べるモデルとしてテナガショウジョウバエに着目する。この種では、オスの前脚に巨大化と白黒模様が見られ、これらはオス同士の闘争やメスへの求愛に用いられている。研究内容として、まず成虫の脚が発生する時期の遺伝子発現を解析する。RNA-seqのデータをオス前脚とメス前脚などで比較して、オス前脚特有の形質に関わる遺伝子の候補を特定する。その後、候補遺伝子のノックダウンで生じる表現型を解析し、それらが前脚の特殊化に関わるのかを明らかにする。本研究により、脚の特殊化についてより深く議論できるような知見を得たいと考えている。
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