加齢に伴う骨格筋の萎縮は、身体活動の障害となり生活の質を低下させるだけでなく、疾病の罹患率を増加させる。超高齢社会を迎えた我が国において、健康寿命の延伸は喫緊の課題であり、筋萎縮の治療法の確立が望まれている。骨格筋の萎縮を治療する新たな方法として、細胞移植による筋の再生医療が注目されているが、この実現には無傷な筋に移植細胞を生着させることが課題である。申請者は、細胞の外部環境を構築する細胞外基質を同時に移植して無傷な筋に移植細胞を生着させることに成功した。本研究では、細胞外基質成分のうち生着に寄与した分子を同定し、移植条件を最適化して生着効率を向上させ、筋量や筋力の増加を伴う移植法を確立する。
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