本研究課題では、量子シミュレーション技術を駆使して、疾病対策に資する生体関連ナノ物質の解析を行う。具体的な研究対象として、抗原抗体反応を活用した生体センサーにおけるタンパク/リンカー分子系のグラフェン上への吸着特性、及び疾病起源タンパク質であるアミロイドβの原子スケールでの解離現象の環境条件依存性を考える。溶液環境を精密に再現した電子状態計算を実施し、液中にあるナノ物質の安定構造や構造変化を予測する。ナノ物質の力学特性の環境依存性を明らかにし、タンパク/リンカー分子系、及びアミロイドβ分子の物理・化学的特性を制御するための指針を与える。
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