超高齢社会において、口腔機能の維持は、全身の健康増進に重要な役割を果たす。特に歯周病は罹患者数が多く、歯の喪失の原因となるだけでなく、全身疾患との関連性も示唆されており、その病態の制御が重要視されている。 歯周病の病態形成には、自然免疫応答を担うマクロファージなどの骨髄球系細胞が深く関連している。そのなかで、骨髄球系細胞の表面に発現しているパターン認識受容体による糖鎖認識が、自然免疫応答を調節していることが報告されている。また、糖鎖は構成単糖や結合様式などにより、生物学的活性が異なることも報告されている。そこで本申請では、構造の異なる糖鎖がそれぞれ自然免疫応答に与える影響に着目する。
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