本研究は、「理論」「観察」「計算」の、三つの異なる方向で等複雑性の問題に迫る。一つ目の理論では、数理的な演繹を用いて、純粋に理論的な手法で、等複雑性を考える。これにより、ある言語全体の複雑性を一般的に考察することが可能になる。二つ目の観察では、大規模コーパスのデータを学習させた言語モデルを用いて、形式と意味の対応関係の複雑性を計測する。これは、理論で得られた結果が、実際に観察されるのかという方向から実証することを意図している。三つ目の計算では、コンピュータシミュレーションによる、理論の実証研究を行う。これは実際のデータに依らないことから、観察での検証をさらに補強する役割を持つ。
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