| 研究課題/領域番号 |
24KJ1953
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| 研究種目 |
特別研究員奨励費
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 国内 |
| 審査区分 |
小区分28020:ナノ構造物理関連
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| 研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
松坂 美月 慶應義塾大学, 理工学研究科(矢上), 特別研究員(DC1)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-23 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2026年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2025年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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| キーワード | キラル誘起スピン選択性 / 磁気抵抗効果 / キラル分子 / ナノデバイス |
| 研究開始時の研究の概要 |
近年,キラルな分子中を電子が伝導する過程において,電子のスピンが選択的に透過するChirality Induced Spin Selectivity (CISS)効果が注目されている.CISS効果を利用したスピンデバイスでは,そのスピン選択性の高さから,従来を超える性能の実現が期待できる.そこで,本研究では,キラルな分子を用いたナノスケール磁気抵抗(MR)デバイスを作製することで,CISS効果由来の巨大なMR効果を観測することを目指す.これにより,高磁気感度なMRデバイスの創製が期待できる.
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| 研究実績の概要 |
本研究では,キラル分子を用いたナノスケール磁気抵抗(MR)デバイスの実現およびキラル誘起スピン選択性(CISS)効果のメカニズム解明に貢献することを目指している. 2024年度は,まず,キラル分子であるN-(3S)-3,7-dimethyloctyl[1]benzothieno[3,2-b]benzothiophene-2-carboxyamide (S-BTBT-CONHR)薄膜において,強磁性探針を用いた導電性原子間力顕微鏡(c-AFM)による局所電流電圧測定を行った.その結果,磁性探針における磁化の向きにより電流量が大きく変化した.これはS-BTBT-CONHRがCISS効果を示すことを意味する.次に,デバイス作製に向けた電極の作製に取り組んだ.研磨条件などの検討により,構造・電気特性の優れた電極を作製できた.そして,本電極,および,S-BTBT-CONHRを用いることで,ナノスケールデバイスの作製に成功した.さらに,本デバイスにおいて観測したMR効果は磁性電極の磁化状態をよく反映していた.このことから,キラル分子を用いたナノスケールデバイスにおいて,CISS効果に起因するMR効果の観測に成功したといえる.しかし,本MR効果のMR比は0.1%未満と高くない.先行研究ではデバイスの接合面積が大きいために分子膜の欠陥も多く含まれ,これらの欠陥を流れる非スピン偏極電流によってMR比が低下すると考えられてきた.しかし,本研究で作製したナノスケールデバイスにおいてもMR比は高くなかったことから,本成果はデバイスにおける低MR比の原因が分子膜の欠陥以外に存在する可能性を示唆しているといえる. このように,本成果はキラル分子中のナノ構造スピンダイナミクスに関する新たな学術的知見を提供する成果であるといえる.
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
計画では高いスピン選択性を示すキラル分子材料の選定およびその分子を用いたナノデバイス作製とMR効果測定を予定していた.実際,今年度はキラル分子であるS-BTBT-CONHRにおいて高いスピン選択性が得られ,さらに,S-BTBT-CONHRを用いたナノデバイスの作製に成功した.そして,本デバイスにおいて,磁性電極の磁化状態に対応したMR効果,つまり,CISS効果に起因するMR効果の観測に至った.そのため,本研究はおおむね順調に進展していると判断した.
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は,磁性材料の種類を検討し,引き続きデバイス作製を行う予定である.今年度は磁性材料としてNi78Fe22を用いたデバイスの作製を行ったが,同時に,デバイス作製に向けたFeCoをはじめとする他の磁性材料を利用した電極の実現も達成した.そこで,次年度はそれらの磁性電極を用いて作製したデバイスにおけるMR効果を調べることによって,磁性材料の種類がCISS効果に及ぼす影響を明らかにすることを目指す.
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