小胞体(ER)では、様々な酸化還元関連酵素の機能により、蛋白質の品質が保たれている。蛋白質は、ジスルフィド結合の架橋を伴う蛋白質の正しい構造化、すなわち酸化的フォールディングが行われるが、ER内在酵素の機能低下により、ミスフォールド体さらに凝集体が蓄積し、ひいては神経変性疾患の原因となることが知られている。また、有機セレン化合物は反応中に生成するセレノールが高い細胞毒性を示すため、フォールディングが行われる小胞体のみで適切に活性化される分子種の開発が課題である。そこで、本研究では、ER内の高濃度 カルシウムイオンに着目し、オルガネラ選択的に活性化される新たな酸化還元酵素模倣体の開発を行う。
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