本研究では、細胞障害性を有する疎水性胆汁酸を、保護作用を持つ親水性胆汁酸に変換する新たなアプローチを探求する。この変換を可能にする酵素として、ヒトには存在せずマウスなど齧歯類特有のCyp2a12、Cyp2c70、Sult2a8遺伝子をターゲットとし、これらを発現する遺伝子組み換え腸内細菌の開発を進める。まずin vitroで疎水性胆汁酸を効率的に親水化させる条件を確立し、その後ヒト化(疎水性)胆汁酸マウスモデルに投与し、胆汁酸組成の親水化を実証する。本研究は、腸内細菌を利用することにより、安全性と制御しやすい環境を提供する基盤技術を確立し、肝保護作用を持つ治療薬や機能性食品への応用に繋ていく。
|