我々はこれまでに嫌酒薬ジスルフィラム (DSF) が、FROUNTを阻害することで抗がん作用、抗うつ・抗不安様作用を示すことを明らかにした。さらにDSFは有害作用を示さず、既存治療薬よりも早期に治療効果を示すことから、DSFは脳内FROUNTをターゲットとした安全性の高い、効果の確かな向精神薬となる可能性が期待されている。 しかしDSFは、アルデヒド脱水素酵素阻害作用によって嫌酒薬以外の目的で実用化することは困難であった。そこで、薬物を脳内選択的に送達可能な経鼻製剤を開発することで副作用を分離することが可能であると考えた。本研究では、DSFによる向精神薬としての臨床実用化に向けた実証試験を行う。
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