恐怖記憶関連疾患の治療には、安全学習を通じて恐怖記憶を抑える「消去」の促進、恐怖記憶の維持に関わる「再固定化」の阻害という2つの記憶過程を適切に制御することが重要となる。申請者らは、δオピオイド受容体(DOR)活性化による恐怖記憶の消去と再固定化の制御機構を、IL とvHPC それぞれから投射を受けるBLA 神経細胞の機能変化に着目して明らかにする。そこでDOR発現細胞のみの活動を制御するため、DOR-CreマウスとCre依存的光遺伝学技術を組み合わせることで、恐怖神経回路のDOR陽性細胞が恐怖記憶の制御に寄与するかどうかや、DORの活性化で生じるシナプス機能と遺伝子発現の変化を明らかにする。
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