研究課題
特別研究員奨励費
本研究は、20世紀フランスの作家・思想家であるジャン=ポール・サルトル(1905-1980)の言語論、とくに文学言語論を中心に、20世紀前半から第二次世界大戦後にかけての語用論的言語学・言語思想の萌芽的形成を研究する。戦間期の作家や思想家から、戦後のサルトルに至るフランス文学および思想の領域において、言語学への関心が高まるとともに、語用論的と見なしうる発想が現われてきたことは実証的に解明しうる。この点の究明を通じて、文学と言語学の間の関心の交差、結節点を明らかにし、現在に至るフランス文学・思想の特徴というべき言語の優位に新しい視点を示すことが課題となる。