研究課題
特別研究員奨励費
本研究は、紀元後2世紀頃にローマ帝国で活動したペリパトス(アリストテレス)派の哲学者、アフロディシアスのアレクサンドロスを対象とし、その思想の独自性と哲学的意義の解明を目指す。アレクサンドロスはアリストテレス注釈者としての名声が独り歩きし、その著述の内に含まれる独自の哲学的観点に注目が集まることは少なかった。本研究は、その偏った視点を修正するために、ギリシャ語とアラビア語残存資料の双方を用い、彼の思想の全体像を、いわば「アレクサンドロス哲学」として析出させることを試みる。