保育者は歌唱活動において,幼児の能力の違いに指導や援助の難しさを感じている。そのため,保育者による子どもが正確な音程で歌唱するための支援方法を考える必要がある。その支援方法として,歌を覚えるときと覚えた歌を歌う時に音程の上がり下がりと一致した身振りをする方法が有効である。 また,音程の上がり下がりは空間的情報として処理されるため,空間認知能力は歌唱する際に必要な能力のひとつである。そこで本研究では,幼児の空間認知能力を考慮し,身振りをすることで正確な歌唱ができるようになる様相について実証的に検討する。また,保育者による身振りを用いた歌唱支援の効果を明らかにする。
|