現代の犯罪捜査においては、データは非常に重要な価値を持つ。しかし、現行捜査法の捜索差押え規定は有体物を前提としているために、証拠としてデータを取得するためには、有体物である電磁的記録媒体の差押えによらなければならない。 しかしながら、有体物に対する手続を通じて有体物とは性質の異なる無体物を取得する現行法規定は、「捜査の実効性・必要性」と「対象者の権利保護・捜査権限濫用防止」の両者の確保という観点から、限界を迎えていることが指摘されている。 そこで、データ取得に対する法的規律に関する規定を多く持っているドイツ法との比較法研究を中心に、日本のデータ取得に対する法的規律の内容を具体的に検討する。
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