研究課題
特別研究員奨励費
従来、近代俳諧と近世俳句の間には断絶があると見なされてきた。しかし、俳句の根幹に関わる季語と、その表現の諸相からは、時に和歌や漢詩を拠り所とする伝統が、近世俳諧の中ですでに変質を遂げ、あるいは近代化に適応しながらも継承されてきた姿を見いだすことができる。従来の俳句史観を疑問視する研究も近年は増えつつあるが、実際の作例に基づいた検証は未だ少ない。本研究では、季語に関わる表現を追究し、その変遷の把握を試みる。季語と表現という視座から、俳諧・俳句という文芸を通史的に理解する研究である。